1. はじめに:AIを、どう使うか
まんくみでは、管理組合の会議や議題整理を支援するために、AI機能を少しずつ追加しています。
議事録の要約。
議題ごとの検討ポイントの整理。
住民向け説明文のたたき台作成。
次期理事への引き継ぎメモの作成。
総会準備に向けた確認事項の整理。
できることだけを見ると、「AIで便利になります」という機能紹介にもできます。
ただ、まんくみにとって大事なのは、AIで何ができるかだけではありません。
それ以上に、
AIを、管理組合の中でどう位置づけるか
が大事だと考えています。
まんくみでは、AIを「判断するもの」としては扱っていません。
AIは、管理組合の代わりに決めるものではありません。
理事会の代わりに責任を持つものでもありません。
総会決議の要否や、管理規約上の判断を断定するものでもありません。
まんくみにおけるAIは、あくまで「整理を手伝うもの」です。
人が判断しやすくなるように、
人が説明しやすくなるように、
人が引き継ぎやすくなるように、
情報を整えるための補助機能です。
この記事では、単なるAI機能の紹介ではなく、まんくみがAIとどう向き合っているかを紹介していきます。
2. 管理組合で大事なのは、記録だけではない
管理組合の運営では、会議の記録を残すことが大事です。
ただ、実際には「記録がある」だけでは足りないことがあります。
後から見返したときに、
- 何を話したのか
- 何が決まったのか
- なぜそう考えたのか
- 次に何をする必要があるのか
- 住民へどう説明すればよいのか
こうしたことが分からないと、記録はあっても使いにくくなってしまいます。
特に管理組合では、理事が毎年入れ替わることもあります。
当時の会議に参加していなかった人が、後から内容を確認することもあります。
総会前になって、過去の理事会で何を話していたかを確認することもあります。
そのときに必要なのは、単なる発言の羅列ではなく、「判断の流れ」です。
なぜこの話が出たのか。
どんな選択肢があったのか。
何を確認して、何を保留にしたのか。
最終的に、どういう理由で決めたのか。
こうした流れが残っていると、後から説明しやすくなります。
逆に、ここが残っていないと、理事会の中では納得して決めたはずのことでも、後から説明するのが難しくなります。
まんくみのAIは、この「後から説明できる形に整える」ことを支援するためのものです。
3. まんくみにおけるAIの位置づけ
まんくみのAIは、理事や管理者の判断を代行しません。
入力された情報をもとに、文章整理、論点整理、たたき台作成を支援します。
たとえば、議題について入力された内容から、
- この議題で決めること
- 背景
- 検討した内容
- 決定事項
- その理由
- 住民への説明文
- 次期理事への引き継ぎメモ
などを整理します。
ただし、これは「AIが正解を出す」という意味ではありません。
AIが出すのは、あくまでたたき台です。
その内容を確認し、必要に応じて修正し、最終的に使うかどうかを判断するのは人です。
管理組合の運営では、事実関係、管理規約、過去の経緯、住民感情、予算、工事の必要性など、いろいろな要素が絡みます。
AIがそのすべてを正しく理解し、責任を持って判断することはできません。
だからこそ、まんくみではAIを「判断者」ではなく、「整理役」として設計しています。
4. 現在のAI機能でできること
まんくみでは、会議や議題を中心に、AIを使った整理機能を追加しています。
現在想定している主な機能は、以下のようなものです。
- 議事録の要約
- 議題ごとの検討ポイント提案
- 判断整理レポートの作成
- 住民向け説明文のたたき台作成
- 次期理事への引き継ぎメモ作成
- 総会準備のたたき台作成
- 想定質問と回答の整理
- 添付資料チェック
- 未確認事項の整理
それぞれの機能は、単独で完結するというより、会議ページや議題の記録とつながることを意識しています。
理事会で話したこと。
その場で決めたこと。
保留にしたこと。
次回までに確認すること。
住民へ説明が必要になりそうなこと。
総会で扱うかもしれないこと。
こうした情報を、後から使いやすい形に整える。
それが、まんくみのAI機能の基本的な役割です。
5. 判断整理レポートについて
まんくみのAI機能の中で、特に大事にしたいのが「判断整理レポート」です。
これは、議題に紐づく情報をもとに、判断の流れを整理する機能です。
たとえば、ある議題について、
- この議題で決めること
- 背景
- 検討した内容
- 決定事項
- その理由
- 未確認事項
- 住民への説明文
- 次期理事への引き継ぎメモ
などを整理します。
管理組合の会議では、「決めたこと」だけでなく、「なぜそう決めたか」が重要になることがあります。
たとえば、工事を進める場合。
支出を伴う場合。
一部の住民に影響が出る場合。
総会で説明が必要になる場合。
こうした場面では、単に「実施することになりました」だけでは不十分です。
なぜ必要なのか。
他の選択肢はなかったのか。
どこまで確認したのか。
何を根拠にそう考えたのか。
このあたりを整理しておくことで、後から住民へ説明しやすくなります。
また、次期理事への引き継ぎにも役立ちます。
理事が交代したあとに、「これはどういう経緯で決まったんだっけ?」となったとき、判断整理レポートがあれば、当時の流れを確認しやすくなります。
ただし、判断整理レポートは、AIが法的判断をするものではありません。
総会決議が必要かどうかを断定するものでもありません。
管理規約上の判断を確定するものでもありません。
あくまで、入力された情報をもとに、判断の流れを整理するためのものです。
6. 総会準備への活用
管理組合では、理事会で扱った議題が、後から総会につながることがあります。
最初は小さな相談だったものが、検討を重ねるうちに総会での説明が必要になる。
理事会では方向性を決めたけれど、正式には総会で承認を取る必要があるかもしれない。
住民から質問が出そうなので、事前に説明を整理しておきたい。
こうした場面は少なくありません。
まんくみでは、理事会で扱った議題の中から、総会で扱うかもしれないものを候補として残せるようにしていきます。
総会準備では、たとえば以下のような内容を整理します。
- 議案説明文のたたき台
- 住民向け説明文のたたき台
- 想定質問と回答
- 関連資料
- 未確認事項
- 追加で確認すべき点
ここで大事なのは、まんくみが正式な議案書を自動生成するものではない、ということです。
総会の議案は、管理規約や法的な観点、過去の経緯、管理会社や専門家への確認などが必要になることがあります。
そのため、AIが自動で「これで正式な議案書です」と作るのは、まんくみの考え方とは違います。
まんくみが目指しているのは、総会前の確認用メモです。
理事会で話してきた内容をもとに、
- 何を説明する必要があるか
- どんな質問が出そうか
- どの資料を確認すべきか
- まだ確認できていないことは何か
を整理する。
そして、最終的には確認用PDFとして保存できるようにする。
総会準備を、総会直前にゼロから始めるのではなく、日々の理事会の記録から自然につなげる。
そのためのAI活用です。
7. AIに任せないこと
AIは便利です。
ただ、便利だからこそ、任せる範囲をはっきりさせる必要があります。
まんくみでは、少なくとも以下のようなことをAIに任せるべきではないと考えています。
- 法的判断
- 管理規約上の判断
- 総会決議が必要かどうかの断定
- 入力されていない事実の補完
- ユーザー確認なしの自動反映
- 添付資料本文を勝手に読んだ前提での判断
特に大事なのは、「入力されていない事実を、あるものとして扱わない」ことです。
AIは文章を自然に作ることができます。
だからこそ、実際には確認していないことまで、それらしく書けてしまうことがあります。
これは、管理組合の運営では危険です。
確認していないことは、確認していない。
資料本文を読んでいないなら、読んだ前提にしない。
判断できないことは、判断できないものとして扱う。
この線引きが必要です。
まんくみでは、AIの出力をそのまま確定情報として扱うのではなく、人が確認し、必要に応じて修正して使う前提にしています。
8. 安心して使うための設計
AI機能は、便利である一方で、不安もあります。
出力内容は正しいのか。
勝手に反映されないか。
費用がどれくらいかかるのか。
失敗したときにポイントだけ消費されないか。
添付資料を読んだ前提で、間違った内容を書かないか。
まんくみでは、こうした不安をできるだけ減らす設計にしたいと考えています。
まず、AIの出力はたたき台として扱います。
生成された文章は、そのまま正式な記録や説明文になるのではなく、ユーザーが確認・編集して使う前提です。
また、AI生成に失敗した場合は、ポイントを消費しない、または返還する設計にしています。
「使えなかったのに利用枠だけ減る」という状態は、できるだけ避けたいと考えています。
添付資料についても、資料名やファイル名を材料にする場合はありますが、本文を読んだ前提では扱いません。
たとえば、資料名から「関連資料が添付されている」と整理することはあっても、資料本文を確認していないのに「資料内にこう書かれている」と断定することは避けます。
また、AI利用枠を設けることで、使いすぎやコストの見えにくさも抑えます。
AIは、無制限に使えるように見えると便利そうに感じます。
一方で、裏側ではコストが発生します。
そのコストが見えないまま使われると、サービスとしても続けにくくなりますし、ユーザー側にとっても不安が残ります。
だから、まんくみではAI利用枠を設け、使える範囲を分かりやすくする方向で考えています。
便利さだけでなく、安心して使えること。
ここも、AI機能では大事にしたいところです。
9. まんくみがAIで目指していること
まんくみがAIで目指しているのは、管理組合の判断を置き換えることではありません。
目指しているのは、会議の記録を、後から説明できる形にすることです。
理事会での判断経緯を残しやすくする。
住民説明の心理的負担を減らす。
次期理事への引き継ぎをしやすくする。
総会準備を、日々の理事会の記録から自然につなげる。
管理組合の運営では、どうしても「その場にいた人にしか分からないこと」が増えていきます。
あのとき、なぜその話になったのか。
なぜその選択肢を選ばなかったのか。
誰が何を確認することになっていたのか。
次の理事に何を伝えるべきなのか。
こうしたことが残らないと、次の会議、次の理事、次の総会で、また同じところから確認が始まってしまいます。
まんくみでは、会議ページを中心に、議題、資料、決定事項、やること、説明、引き継ぎをつなげていきたいと考えています。
AIは、その流れを助けるための機能です。
会議で話したことを、ただ残すだけではなく、
あとから読める形に整える。
説明できる形に整える。
次につなげられる形に整える。
そこに、まんくみのAI活用の意味があります。
10. おわりに:AIは、判断を置き換えない
まんくみのAIは、管理組合の判断を置き換えるものではありません。
理事会の代わりに決めるものでもありません。
総会の代わりに結論を出すものでもありません。
専門家の確認が必要な内容を、AIだけで確定するものでもありません。
あくまで、人が判断しやすくなるように、情報を整理するための機能です。
会議で話したこと。
決めたこと。
保留にしたこと。
確認すべきこと。
住民へ説明すること。
次期理事へ引き継ぐこと。
これらを、少しでも整理しやすくする。
そして、管理組合の運営が「その場限り」ではなく、次の会議、次の理事、次の総会へつながっていくようにする。
まんくみでは、今後もこの考え方を大事にしながら、会議・議題・説明・引き継ぎをつなげる方向でAI機能を育てていきます。
AIに判断を任せるのではなく、人が判断しやすくなるためにAIを使う。
まんくみにとってのAIは、そういう存在です。
